僕は難しい本だとすぐに挫折してしまう人間なので(笑)、初心者でも気軽に読める本を中心に紹介しています。
シェイクスピア関連の本は大きな書店でないと探すのが難しいですけど・・・
東京だと新宿の紀伊国屋(高島屋の隣)、名古屋なら栄の丸善がシェイクスピア関連の書籍を豊富に取扱っています。

CD-ROM ★ 全集 ★ 知識を深めるために読む一冊 ★ その他こんな本も ★ 辞典

↓下記リストにない資料はこちらで検索してみてください↓

CD-ROM

◆ 『シェイクスピア大全 CD-ROM版』 インターチャネル ◆

全37作品+詩6篇を原文で収録、小田島雄志、坪内逍遙、福田恆存、松岡和子+他にもいろいろな方々による翻訳やあらすじなど、シェイクスピアに関するあらゆるものが収められた奇跡(言いすぎかな)のCD。いろいろな質問を網羅した「シェイクスピア、それが問題だ50」や、人物関係図などをまとめたデジタル・ミュージアム、音声で楽しめる「オーディオ・ドラマ『ハムレット』」と、盛りだくさんです。原文と訳文の読み比べだけでなく、各翻訳者の表現の違いを比較できるのが素晴らしい!気になるページには付箋を貼る機能もあるし、入手して数年経ちますが、資料として非常に利用価値の高いものだと思いますよ。



全集


◆ 『シェイクスピア全集・全37作』 訳:小田島雄志、白水Uブックス ◆


とてもわかりやすい訳で、テンポよく一気に読めてしまいます。この訳文のおかげで、「難しい」と思っていたシェイクスピアのイメージを覆すことができたといっても過言じゃありません。駄洒落や冗談も違和感なく自然な現代語に訳されていて、素晴らしい。文字が大きいので読みやすいというのも大きなポイントです。このホームページで引用している台詞は全てこの全集から拝借しました。シェイクスピア作品は新潮文庫などでも出版されていますが、小田島バージョンがわかりやすくてオススメ。



◆ 『愛蔵版 ザ・シェークスピア―全戯曲(全原文+全訳)』 訳:坪内逍遥、第三書館 ◆

シェイクスピアの全作品が英語・日本語両方で載っているお得な1冊です(全1,039ページ、重い)。ただし日本語訳は難しくて、僕にはさっぱりわかりません。原文が欲しかったため購入しました。税込み4,200円ですが、37作品でこの値段なら安いでしょう。『ヂューリヤス・シーザー』、『ぢゃぢゃ馬馴らし』・・・坪内逍遥の訳を楽しみたい方はどうぞ。


◆ 『シェイクスピアのソネット』 訳:小田島雄志/画:山本容子、文藝春秋 ◆

シェイクスピアのソネット(詩)って、読んだことのない人が多いのではないでしょうか。登場人物を通してではなく、あくまで「私」の愛や傷みがダイレクトに伝わってくる全154篇のソネット集です。一つ一つのソネットに添えられた、山本容子の版画も見どころ。


より知識を深めるために

◆ 『英和対訳 シェイクスピアの名せりふ100』 著:安西徹雄、丸善ライブラリー ◆ 2006.8.24追加!

名セリフあふれるシェイクスピアの戯曲を、英語と日本語で味わうことのできる一冊。各作品から100の名セリフが引用され、それぞれ原文・和訳、およびそのセリフの背景が解説されています。ほとんどがメジャーな作品からの引用なので、原文とともにシェイクスピアを学びたい・・・という人には入門編として利用できるかも。



◆ 『小田島雄志のシェイクスピア遊学』 著:小田島雄志、白水Uブックス ◆


≪全集≫に挙げたシェイクスピア全集の翻訳者による解説本だけに、併せて読むと理解度がかなりアップ!16世紀当時の劇場の様子やシェイクスピアの生涯、また普段ならまず取り上げられないマイナーな作品についても解説がされており、感動ものです。中でも僕が「なるほど!」と唸った部分を紹介します。

「シェイクスピアには、知的エリート意識がみごとにない。彼は一般観客とともに喜び、悲しみ、迷い、悩んでいる。」
「シェイクスピアの劇場は、『ことば』の劇場だった。すべては台詞で語られるし、台詞で語られないことは外界でも内心でも起こっていなかった。」

この本は、シェイクスピアへの理解を深めるために最適の一冊だと思います。


◆ 『絵本シェイクスピア劇場』 画:安野光雅/文:松岡和子、講談社 ◆

シェイクスピア全作品を、簡単な解説と安野光雅さんによる名場面の絵で紹介した絵本。名場面とともに名台詞も紹介されており、シェイクスピア初心者にはぴったり。僕はまずこの本を読み、どんな作品があるか学びました。とても味わい深い絵本です。


◆ 『快読シェイクスピア』 著:河合隼雄・松岡和子、新潮社 ◆

心理療法家・河合氏と翻訳家・松岡氏によるシェイクスピア対談。何と言っても、心理学の側面からシェイクスピア作品を分析する河合氏の言葉には重みがあります。シェイクスピアについて学びながら、同時に自分自身を見直すことのできる不思議な対談集。ちょっとマイナーな『間違いの喜劇』が取り上げられているのが嬉しい。


◆ 『シェイクスピアがわかる。』 アエラムック、朝日新聞社 ◆

「わかる。」シリーズの1冊です。上の『読まずにわかる!』よりはもう少し専門的で研究書っぽい内容ですが、作品解説、名セリフ、ブックガイドと盛りだくさん。初心者というよりはやや中級者向けです。全作品の簡単なストーリー紹介が載っており、とても参考になります。



◆ 『シェイクスピアを楽しむために』 著:阿刀田高、新潮社 ◆

『新約聖書を知っていますか』など阿刀田高の本を何冊か読んだことがあるんですが、どれも初心者に理解できるよう易しく書かれていたのを覚えています。この本もとてもわかりやすく書かれており、シェイクスピアの代表作を押さえるにはオススメの一冊です・・・ただし、ある程度各作品のストーリーを把握してから読んだほうが楽しめるかも。作家としての観点からシェイクスピアについて書かれているところが、他の解説本とは一味違います。


◆ 『読まずにわかる!シェイクスピア』 特集アスペクト79、株式会社アスペクト ◆

シェイクスピアの代表作を舞台や映画、マンガで楽しもうという解説本。「素朴な疑問」、「このキャラを押さえればOK」、そして「名セリフはこう使え」といったコーナーが満載。勝手に日本の俳優でキャスティングを決めてしまうコーナーが面白いです(例えばロミオは稲垣吾郎、ジュリエットは菅野美穂というように)。こういった本っていつも代表作しか扱っていないんでそれが残念ですけど・・・第2弾が作られると嬉しいかも。


◆ 『シェイクスピアの英語で学ぶ ここ一番の決めゼリフ』 著:中野春夫、マガジンハウス ◆

日常会話で使えそうな77の名セリフを厳選し、文法や歴史背景の解説を交えながら丁寧に紹介した一冊。全37作から必ず1つ以上セリフが選ばれています。「時代背景&英国王朝系図」や「全作品あらすじ&重要人物65人の紹介」も収録されており、資料としても役に立つ本です。各セリフには「こんな時に使おう!」というアドバイスがあるんですが、これが適度にいい加減+読者を突き放してて笑えます。例えば、「『メチャクチャだぁ!』と救いようのない混乱のなかで叫びたい時に、ジャスト・フィット。」・・・ほら、なんか他人事でしょ(笑)


その他こんな本も

◆ 『新ハムレット』 著:太宰治、新潮社 ◆ 2006.8.21追加!

あの太宰治による新解釈・ハムレット。話の流れはだいたい同じなのですが、ハムレットと王、ガートルードとオフィーリアなど、登場人物同士が思いをぶつけ合うシーンが多く、オリジナルよりも各人物の心理が深く描かれている印象。亡霊が出てこなかったり、小川で溺れ死ぬのがオフィーリアではなかったり・・・とあくまでも別物の『ハムレット』ですが、併せて読んでみると面白いのではないでしょうか。レアティーズが作中で「坪内さんも東洋一の大学者だが、少し言葉に凝り過ぎる」なんて坪内逍遥批判をしちゃったり(太宰自身は『軽い気持ちで書いたので、怒らないで』なんて言い訳してますが)、不思議な作品。


◆ 『シェイクスピア傑作選』 (普及版 世界文学全集〈第1期〉より) 著:清水義範、集英社 ◆ 2006.8.21追加!

「パスティーシュ」(ある作家や作品の文体を模倣し、作品を作ること)を得意とする清水義範の短編集。「シェイクスピアって馬鹿?」というタイトルの卒業論文、という設定にて書かれた作品です。『ロミ・ジュリ』→「なんでもないことを強引に悲劇にした馬鹿物語」、『ハムレット』→「この馬鹿王子がいなければデンマークは平和だったのに」、『オセロー』→「ハンカチを落としていちいち死んでいては、ハンカチ落としという遊びをしたら死屍累々ではないか」などなど、教授の不倫問題まで含めた言いたい放題の論文に大笑い。でもね、意外に「なるほどね」って思わせられる部分が侮れなかったりして。


辞典

◆ 『研究社 シェイクスピア辞典』 編:高橋康也・他、研究社 ◆

見出し語約2,500、マイナーな登場人物までしっかり解説されている、最強の辞典。これ1冊あれば、どんな問題もすべて解決!・・・ただし14,700円(結構高額)。個人的に買うには、結構勇気がいります(笑)ちなみに僕は誕生日プレゼントとして無理矢理手に入れました。でもね、この辞典は本当に助けになります。お金を貯めてでも手に入れる価値あり。


Dictionary of Shakespeare, Louise McConnel, Peter Collin Publishing(イギリス) ◆

洋書です。登場人物や主要な言葉が簡単にまとめられており、英語もそれほど難しくなく頼りになる1冊でした。理解しているつもりでも実は細かいところ(人物関係など)が曖昧なことがよくあるので、この辞書に助けられることが多いです。新宿の紀伊国屋で購入しました。同じ辞典を手に入れるのは難しいかもしれませんが、同じようなものはいろいろと出版されているので、ぜひ探してみてください。






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